結婚式は、人生の中で最も特別で心温まるイベントの一つです。そんな晴れの日に欠かせないのが、感謝や祝福の気持ちを形にして伝える「結婚式の花束」です。ご両親への贈呈用、ブーケトス用、あるいは友人から新郎新婦へ贈るお祝いなど、結婚式における花束の役割は多岐にわたります。しかし、いざ準備しようとすると「どのくらいのサイズが良いの?」「相場はいくら?」「どんなお花を選べば喜ばれるの?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、フラワーアレンジメントの専門家としての視点から、結婚式の花束に関する疑問を徹底的に解説します。贈る相手やシーンに合わせた選び方、人気の花材と花言葉、そしてオーダーする際の注意点まで、実践的で役立つ情報をお届けします。大切な一日にふさわしい、最高の花束を見つけるための参考にしてください。
結婚式の花束選びで知っておきたい3つの基本
結婚式の花束を選ぶ際、単に「きれいなお花」を選ぶだけでは不十分です。特別な日を彩るアイテムだからこそ、実用性やマナーにも配慮する必要があります。まずは、失敗しない花束選びの基本となる3つのポイントを押さえておきましょう。
1. 贈る目的と相手を明確にする
結婚式の花束には、さまざまな役割があります。ご両親へ感謝を伝える「両親贈呈用花束」、未婚のゲストへ幸せのおすそ分けをする「ブーケトス・プルズ用花束」、そしてゲストから新郎新婦へお祝いとして贈る「ギフト用花束」などです。目的に応じて、ふさわしいサイズやデザイン、選ぶべき花材は大きく異なります。まずは誰に、どんな思いを込めて贈るのかを明確にすることが、理想の花束への第一歩です。
2. 持ち帰りやすさと重さに配慮する
結婚式では、受け取った方が花束を自宅まで持ち帰ることを忘れてはいけません。特に遠方から新幹線や飛行機で来られているゲストやご両親にとって、大きくて重すぎる花束は負担になってしまうことがあります。
【持ち帰りの負担を減らすポイント】
- 水を含んだ状態での重さを確認する
- 持ち帰り用の専用手提げ袋(マチが広く丈夫なもの)を用意する
- 遠方の方には、比較的軽くてかさばらないデザインを選ぶ
より詳しいサイズ感や予算とのバランスについては、贈るシーンに応じた花束の値段・大きさの選び方の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
3. 会場やドレスの雰囲気に合わせる
結婚式という空間全体のトータルコーディネートも重要です。ホテルウェディングのような格式高い会場であれば、胡蝶蘭や大輪のバラを使ったクラシカルで豪華な花束が映えます。一方、ガーデンウェディングやレストランでのカジュアルなパーティーであれば、野の花を摘んだようなナチュラルなクラッチブーケスタイルがぴったりです。
シーン別・結婚式の花束の相場と選び方のコツ
結婚式の花束は、シーンによって適正な相場や求められるデザインが変わります。ここでは、代表的な3つのシーンに分けて、それぞれの相場と選び方のコツを詳しく解説します。
両親贈呈用の花束
結婚式のクライマックスとも言える両親への花束贈呈。これまでの感謝の気持ちを伝えるための、最も重要な花束です。
- 相場:5,000円〜10,000円程度(1束あたり)
- 選び方のコツ:見栄えのするボリューム感が大切です。ご両親の好きな花や、思い出の花を取り入れると、より感動的な贈り物になります。また、新郎側と新婦側の花束は、お揃いのデザインにするか、それぞれの母親の好みに合わせて色を変えるなど、事前に両家でバランスを相談しておくと安心です。
ブーケトス・プルズ用の花束
挙式後の演出として人気のあるブーケトスやブーケプルズ。受け取った人に幸せが訪れるというジンクスがある、幸せのおすそ分けです。
- 相場:3,000円〜5,000円程度
- 選び方のコツ:トス用の場合、空中に投げるため「軽くて崩れにくいこと」が絶対条件です。ワイヤーを使わず、お花自身の茎で束ねたものが安全です。また、キャッチしやすいように小ぶりなサイズ(直径20cm前後)にまとめるのが一般的です。
友人から新郎新婦へ贈るお祝いの花束
ゲストとして参列する際や、結婚式に出席できない場合に贈るお祝いの花束です。
- 相場:3,000円〜8,000円程度
- 選び方のコツ:結婚式当日は新郎新婦も荷物が多いため、大きすぎないサイズを選ぶのがマナーです。花瓶がなくてもそのまま飾れるアレンジメントを選ぶのも喜ばれます。トレンドのウェディング花束と注文方法を事前にチェックしておくと、センスの良い贈り物ができるでしょう。
結婚式の花束におすすめの花材と込められた意味
花にはそれぞれ「花言葉」があります。結婚式の花束には、祝福や感謝、永遠の愛といったポジティブな意味を持つ花材を選ぶのがおすすめです。ここでは、プロもよく提案する定番かつ人気の花材をご紹介します。
バラ(薔薇)
花言葉:「愛」「美」(ピンク:感謝、白:純潔)
結婚式のお花といえば、やはりバラは外せません。その存在感と華やかさは、両親贈呈用の花束からウェディングブーケまで幅広く活躍します。特にピンクのバラは「感謝」という花言葉を持つため、ご両親への贈り物に最適です。
かすみ草
花言葉:「清らかな心」「無邪気」「幸福」
繊細で可憐な白い小花を無数に咲かせるかすみ草。近年、かすみ草だけをたっぷりと束ねたブーケが大流行しています。純白のウェディングドレスとの相性が抜群で、ナチュラルでピュアな雰囲気を演出してくれます。
ガーベラ
花言葉:「希望」「常に前進」
パッと開いた丸いフォルムが可愛らしいガーベラ。カラーバリエーションが非常に豊富で、明るくポップな雰囲気を好む新郎新婦から支持されています。前向きな花言葉を持つため、これから新しい家庭を築く二人へのエールとしてもぴったりです。
カーネーション
花言葉:「無垢で深い愛」(赤:母への愛、ピンク:温かい心)
母の日の定番でもあるカーネーションですが、フリル状の花びらが密集して咲くため、花束にボリュームと華やかさを与えてくれます。「母への愛」という花言葉を持つため、母親へ手渡す花束にはぜひ取り入れたいお花です。
結婚式の花束を美しく見せるデザインと形
花束の「形(フォルム)」も、印象を大きく左右する重要な要素です。結婚式でよく用いられる代表的なデザインを解説します。
愛らしい「ラウンドブーケ」
お花を半球状(ドーム型)に丸く束ねたスタイルです。結婚式の花束としては最もスタンダードであり、どの角度から見ても美しく見えます。可愛らしく清楚な印象を与え、どんなドレスや会場にも合わせやすいのが特徴です。
丸い形には「縁(円)を切らない」「永遠」といった縁起の良い意味合いも込められており、ウェディングシーンに非常に適しています。具体的なデザイン例として、丸くて可愛らしいラウンドブーケのラインナップを見ていただくと、その魅力がよく伝わるでしょう。
トレンド感のある「クラッチブーケ」
クラッチ(clutch)とは英語で「ぎゅっと掴む」という意味。お花の茎を長めに残し、リボンなどで無造作に束ねたスタイルの花束です。まるで野原で摘んできたお花をそのまま束ねたような、ナチュラルで洗練された雰囲気が魅力です。
近年、グリーン(葉物)をたっぷり使ったクラッチブーケは、おしゃれなプレ花嫁たちの間で圧倒的な人気を誇っています。
失敗しない!結婚式の花束をオーダーする際のポイント
結婚式という失敗の許されない舞台。理想通りの花束を用意するためには、オーダーの際にもいくつか気をつけるべきポイントがあります。
1. 専門のフラワーショップに早めに相談する
結婚式の花束は、特定の花材や色合いを指定することが多いため、市場での仕入れに時間がかかる場合があります。遅くとも結婚式の2週間前、できれば1ヶ月前には相談や予約をしておきましょう。
【オーダー時に伝えると良いこと】
- 使用する目的(両親贈呈用、友人へのお祝いなど)
- 予算と希望のサイズ感
- ドレスの色や会場の雰囲気の画像
- 入れてほしいお花、または苦手なお花
特別な日のためには、プロのフローリストと直接相談しながら作り上げるこだわりのオーダーメイドサービスを利用するのも、間違いのない選択肢の一つです。
2. 会場の持ち込みルールを確認する
結婚式場によっては、提携している花屋以外からの「外部持ち込み」を禁止していたり、持ち込み料が発生したりする場合があります。外部のショップで花束をオーダーする前に、必ずウェディングプランナーに持ち込みの可否とルールを確認しておきましょう。
3. 受け取り日時と保管方法に注意する
生花は鮮度が命です。可能であれば結婚式当日の朝に受け取るのが理想的ですが、前日に受け取る場合は、涼しくて直射日光の当たらない場所で保管してください。エアコンの風が直接当たる場所も乾燥してしまうためNGです。
まとめ:結婚式の花束は感謝と祝福を伝える最高の贈り物
結婚式の花束は、言葉だけでは伝えきれない「ありがとう」や「おめでとう」の気持ちを、目に見える美しい形で届けてくれる特別なアイテムです。
贈る相手への思いやりを忘れず、持ち帰りやすさや会場の雰囲気に配慮した選び方を心がけましょう。また、バラやかすみ草など、ポジティブな花言葉を持つお花を選ぶことで、その贈り物はいっそう深い意味を持つようになります。本記事でご紹介した相場やオーダーのコツを参考に、後悔のない、感動的な一日を彩る素敵な花束を見つけてください。



